「本を読みなさい」を素直にやれる人が得られる効果

読書

「本を読みなさい」と言われても、部活や勉強で忙しい毎日の中で、なぜわざわざ読書に時間を使わなければならないのか、疑問に思うのは当然のことだ。

「国語の成績が上がるから」「知識が増えるから」という理由だけでは、なかなか重い腰は上がらないかもしれない。でも、もし読書が「1日24時間しかない時間を、効率よく何倍にも使いこなすための手段」になるとしたらどうだろうか。

精神科医の樺沢紫苑氏による著書『読書脳』には、認知科学や習慣化のメカニズムに基づいた「読書が脳に与えるメリット」が分かりやすく解説されている。この本から学べる、君の日々の悩みやストレスを解決するためのヒントをいくつか紹介しよう。

目的は「成長」よりも「楽しさ」を優先する

本を読むとき、最初から「成長しよう」「賢くなろう」と力む必要はない。
『読書脳』では、脳科学の視点から「楽しむこと」の重要性が語られている。

脳は「楽しい」「ワクワクする」と感じたときにドーパミンという物質を出す。このドーパミンが出ている状態は、記憶力や集中力が高まるサインだ。だから最初は、純粋に面白いと思える本から手に取ってみてほしい。好きな小説でも、部活の練習法でも構わない。「ただ楽しいから読む」を入り口にすることが、結果として自然な自己成長へとつながっていく。

読書は「不安」を静めるスイッチになる

14歳という時期は、人間関係や進路などで何かとストレスを感じやすい。人間が不安を感じているとき、脳の中では「扁桃体(へんとうたい)」という部分がアラームを鳴らしている。

同書によれば、この扁桃体(へんとうたい)を和らげる有効な方法の一つが、読書などで「言語情報」を脳内に入れることだという本を読んで新しい言葉や考え方に触れると、扁桃体の興奮が鎮まり、ネガティブな感情が落ち着きやすくなる。読書は、自分の心をフラットな状態に戻すための、とても理にかなった対処法でもあるんだ。

頭の回転は「言葉のストック」に比例する

読書は記憶力や思考力、相手を理解する共感力など、さまざまな脳の働きを良くすることが多くの研究で示されている。

その理由は、頭の回転の速さが言語を処理する能力」と深く結び立っているからだ。言葉のストックがたくさんあれば、授業を聞いたり誰かと会話したりするときに、情報を理解するスピードが速くなる。

他の人が3時間かかる調べ物や作業を、短い時間で終わらせることができるようになる。本から得た知識を活用して作業時間を短縮すること、これが「1日を何倍も有意義に使う」という感覚の正体だ。

記憶に残すための「週3回のアウトプット」

脳が「これは重要な情報だ」と判断する基準は、主に「何度も使われる情報」か「心が動いた情報」の2つだ。そのため、ただ目で文字を追っただけでは、数日後には内容の多くを忘れてしまう。本を読んだら、以下の「アウトプット」をセットにする習慣が推奨されている。

  • マーカーで線を引く: 脳の中で「目で文字を読む作業」と「手にペンを持って線を引く作業」は別の領域で行われている。別々の部位を同時に動かすことで、記憶に残りやすくなる。
  • 人に話す・勧める: 「今日読んだ本、ここが面白かった」と家族や友人に話すだけで立派なアウトプットになる。自分の口で説明することが、一番の復習だ。
  • 文章にして書き出す: 感想や気付きをSNSやノートに短い文章で書いてみよう。読み終わって一晩寝た後に書くと、脳がクールダウンして客観的で論理的な文章が書きやすくなる。「本を読んだ」と言えるのは、内容を説明でき、自分の意見を持てたときだ。

読書は、新しい視点や知識を手に入れ、自分自身の情報処理能力を向上させるための、手軽な手段だ。

まずは、本屋や図書館に行って、直感で「面白そう」と思える1冊を探してみてほしい。もし、「効率的な時間の使い方」や「脳の仕組み」に少しでも興味が湧いたなら、今回紹介した『読書脳』を実際に手に取って読んでみるのもおすすめだ。

科学的な根拠に基づいた読書のメリットを知ることで、きっと本を読むこと自体が楽しくなり、これからの学びの時間が大きく変わっていくはずだ。

読書を通して、よりよい生活を送れるようにしてみてはいかがだろうか。

【図解】


参考書籍
『読書脳』著:樺沢紫苑

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